パラシュートアントを巻く

ドライフライ-dry flies-

アントは重要な捕食対象

タイイング動画はこちらから→https://youtu.be/HRucOvuH2KI
エサ釣りのエサとして用いることは難しいありんこ。
しかし、渓魚は確実に捕食しているありんこ。
そんな小さな彼らを模すことで釣果をあげることができるのもフライフィッシングの楽しいところかなーなんて思っています。

初夏、日が昇りきって段々と気温が上がるにつれて顔を出すアリたちは、全国どこの渓流でも見られますが、そもそもの個体数が多いため、あらゆるテレストリアルの中でもその流下量はトップクラスなのかなと思っています。渓魚の捕食対象としては見逃せない存在ですよね。
そういえば、地球上のアリの総量は、全人類の総量と同等なんて話も聞いたことがあります。

タイイング時に意識していること


僕がタイイングの時に意識しているのは、いかにボディにボリューム差をつけてメリハリのあるボディに仕上げるかということ。やはりアントパターンとして成立させるためには、くびれが大切。
ただ、スレッドやダビング材でボリュームを出そうとすると当然、その分ボディが水を吸う量も多くなってしまいます。ドライフライにとってこれは致命的。テンポ良く釣り上がりたいなら尚更。そんなわけで、動画のような巻き方をしております。

このアントパターンのくびれ、本当に重要だと思っています。
僕はあらゆるパターンに共通して重要な事は「パッと見の虫っぽさ」だと考えていて、モジャモジャっとした虫っぽさだったり、体節の模様が虫っぽかったりと色々ありますが、アントパターンにおけるくびれは「パッと見のアリっぽさ」を演出していると思っています。

フライフィッシングをやったことがない人、フライフィッシングどころか釣りをやったことがない人、フライフィッシングの存在を知らない人、そんな人たちにフライを見せても多くの場合が「何コレ?」と思われるでしょうが、アントパターンだけは「お、アリじゃん!」ってなるような気がするんですよね。
誰が見てもアリっぽさを感じる重要なファクターがくびれで、それは魚の視点からも同様なのかなと思っています。

ぴかぴかの初夏の夕暮れ。牧場脇の小さな川をアントパターンで釣り上がる。

僕が初めてアントパターンを使用したのは、中学生の頃に地元札幌の釣具屋さんで買った完成品フライのアントパターン。まんまるなお団子を2つ並べたようなボディに真っ白なカーフテイルのポスト。厚めに巻かれたハックルはグリズリー。

初夏、この完成品フライをティペットに結んで、牧場の脇を流れる川にポトッと落とすとたくさんのヤマメが喰いついてきて「エサ釣りではなかなか利用できないアリを、今自分は使っている!」という嬉しさ。なんだかこれもフライフィッシングならではなのかな〜なんて思ったものです。

水を飲みに来た牛さんこんにちは。

夏の代表的なパターン、アント。これからも、夏はフライボックスに数匹のありんこを忍ばせて釣りに行きたいと思います。

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