ジョック、僕が大好きなパターンの一つです。
ジョック・スコットの簡易版…ってことらしいのですが、簡易版の割にはなかなか厄介なパターンだと思います。
タイイング動画はこちらから→https://youtu.be/a0dMw_77iZc
理由は、何と言ってもジョックのウイングに指定されているマテリアル、マラードダックのクイル。
ジョックは、そのウイングの輝く濃紺と白のコントラストが目を引く美しいパターンですが、問題はこのマテリアルの白い部分の少なさ。1枚の羽根から毛鉤1〜2本分程度しか取れないという…。
そして、当然ですが個体差が結構あるんですよね…。
白い部分が少ないものや、まったく無いもの…。
白い部分はキレイだけど、今度は濃紺部分がイマイチ…。
色合いは良いけど、先端がボロボロ…。
いい感じの部分を2枚切り出せたと思って合わせてみたら、白い部分の幅が違った…。
等々、完璧なペアを見つけるのがなかなか難しいんですよね。
まあ、僕は普段自分で使う分には、白なんて一切無い部分をウイングにしています。(ブッチャー的な)これはこれで結構カッコいいじゃん、なんて思っています。
さて、厄介なことがもうひとつ……このマテリアル、非常に扱いづらい。
巻き留めを失敗すると、やり直そうにもファイバーどうしがすぐにバラバラになって修復できない…。僕の経験上、やり直しは多くても2回まで。
他のクイル材であれば、ちょっとバラバラになっても軽く撫でつければスグに解決。ファイバーどうしが仲良しこよし。
なのですが…
この羽根は、一度機嫌を損ねるともう二度とファイバーどうしが手を繋いでくれない。
キミたち仲良くしなさいよ…。
巻き留めは全神経を集中してなるべく一発で決めたいところです。
そんな厄介なパターンですが…その見た目の美しさから巻きたくなってしまうのです。
ジョックは、その儚くも美しいウイングに見惚れてしまいますが、ボディやテイルもこのウイングの美しさを引き立てていると思うんです。
ゴールデンフェザント・クレストの金色の輝きと反り上がったテイル。
ティンセルを纏った黄色と黒のフロスボディ。
ギニアフォウル・フェザーの白黒のスロート。
派手過ぎず、地味過ぎず。全体の調和が見事にとれた素晴らしい色彩。
考えた人、天才。
大好きなのに何本巻いても納得いくものが巻けない片想いパターンですが、これからも僕のウエットフライボックスには欠かせないパターンです。